「壁の中」から

むかしblogtribeにあったやつのアーカイブ

2005-02-01から1ヶ月間の記事一覧

レーモン・ルーセルの奇妙な迷宮

二月五日の記事に対して中村びわさんからコメントがあり、以下に書こうとしていることにかかわるものなので、まずはそこから話を始めることにする。●伝達の欲望そもそも前記の記事では私は「物語を語ることで醸成されるべき、主題なり問題意識なりを根本的に…

レーモン・ルーセル「新アフリカの印象」

レーモン・ルーセル「新アフリカの印象」より 第三の歌・粟津則雄訳血が出るまでなめると黄疸の癒る柱 アブル・マアテの回教寺院ダミエット付近 英雄的治療法だ! 舌が貧血しないようにと 少しもひっこめたりはせず、他の無数の阿呆のあとで、 この柱の脇腹…

レーモン・ルーセルの奇妙な詩法

さて、上に投稿しましたレーモン・ルーセル「新アフリカの印象」は御覧いただけましたか。これだけを見ても意味不明(私にも)だと思われますので、以下この詩の基本事項の確認を行いたいと思います。●「新アフリカの印象」についてこの詩は全部で四つの歌か…

レーモン・ルーセルの奇妙な詩篇

レーモン・ルーセルの詩はあまり翻訳されていない(カラデックやフーコーの本に、幾ばくか引用されている程度と、確か「黒いユーモア選集」に入っているものがあるはず)ので、フランス語ができない(というか、あらゆる外国語)私には全貌がつかめない。そ…

レーモン・ルーセルの奇妙な物語

bk1の書評にはふたつの小説と書いてしまったが、ふたつの長篇の間違い。で、これから書くことには以上の書評に書いたことが直接関係してくるので、まずは引用。ルーセルのある短篇では、冒頭と末尾の一文が、一文字だけ異なっている以外はほとんど同じ文章で…

後藤明生コーナー

そういえば、 幻視社のサイトの方に 後藤明生レビューのコーナーをアップした。とりあえずメモ書きくらいしかないけれど、量だけはあるので、興味のある方は見てみてください。このブログから転載したのも合わせると、百五十枚は下らないと思います。まあ、…